2手目△3二飛戦法に注目したのをきっかけに、升田幸三賞の歴史を振り返ってみた。
「将棋大賞 - Wikipedia」に、歴代の受賞戦法・着手が載っている。
升田幸三賞
新手、妙手を指した棋士に与えられる。1995年(第22回)創設。
升田幸三賞歴代受賞者
- 第22回(1995年)内藤國雄 横歩取り空中戦法
- (中略。リンク参照)
- 第29回(2002年)近藤正和 ゴキゲン中飛車
- 第30回(2003年)児玉孝一 カニカニ銀
- 第31回(2004年)谷川浩司 A級順位戦、対島朗戦(2003年12月19日)での54手目、△7七銀成
- 升田幸三特別賞 立石勝巳 立石流四間飛車
- 第32回(2005年)鈴木大介 新・石田流
- 第33回(2006年)淡路仁茂 後手番一手損角換わり
- 升田幸三特別賞 森下卓 森下システム
- 第34回(2007年)佐藤康光
- 第35回(2008年)今泉健司 2手目△3二飛
- 升田幸三特別賞 真部一男 対豊島将之戦(2007年10月30日)の幻の△4二角
この歴史の過程において、「升田幸三賞」というキーワードでグーグル検索をし見つけた、下記のdouble crown氏のエントリーが興味深い(一部引用。リンクから全文参照をお勧めします)。
現代将棋は研究が進み、未開拓地も昔に比べれば狭くなっているように感じます。とはいえ、「藤井システム」「中座飛車」のように、衝撃を与えた戦法は周期的に現れています。ある戦法が絶滅に追い込まれるようなほどの強力な戦形こそが、受賞対象になると思うし、そうじゃなかったら、新手一生の髭名人の名前なんぞ付けるなんて不遜も甚だしいと思います。新手賞ぐらいが丁度いいんじゃないでしょうか。それに、受賞対象戦法は、少なくてもニ、三年前ぐらいのものにして欲しい。過去の戦法や新手を持ち上げるのは、お門違いだと思いますよ。だって、本当の意味で「新手」じゃないもの。
非常に的を射ている。皆が感じるであろう批評が、うまくまとめられていると思う。
このエントリーが書かれたのが2003年。そして升田幸三賞の受賞来歴を見ると、2004年から、古い戦法は「升田幸三特別賞」として別枠で表彰されているのがわかる。このエントリーが、直接的か間接的かはわからないが、選出方法に影響を与えた可能性は高いかもしれない。こういう批評をタイムリーに書いてみたいものです。
実際、2004年から升田幸三賞がいい方向に進んでいると感じる。ただし個人的には、2004年から受賞大賞となった「絶妙手」については不要かなとも感じる。新手がないのならば無理に表彰しないで「対象手(対象者)無し」でもよいし。
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