光速の終盤術
2010/04/10のエントリーで述べた通り、「最新戦法の話」(勝又清和六段 著)の英訳を「Shogipedia」に収めた。
この作業には、2009年11月半ばから2010年4月半ばまで、5ヶ月近くかかってしまったわけだが、実はこの間に別の書籍の英訳をShogipediaに収めている。「光速の終盤術」(谷川浩司 十七世名人 著)だ。
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目次は以下の通り。
- 第1章 直線と曲線
- 第2章 終盤の岐路
- 第3章 勝つための終盤術
- 第4章 逆転の終盤術
@HIDETCHIさんが第1章〜第3章、私が第4章の作業を行った。
ただ本書については、英訳作業を行ったわけではない。Reijer Grimbergenさんという、コンピュータ将棋開発者の方が英訳していたものを、転載の許可を頂いてShogipediaに収めた格好だ。
移行するだけだから楽だなーと思っていたら、Shogipediaフォーマットに書き直すのが結構大変で、時間がかかった。
海外の愛棋家に適したコンテンツとは?
本書は非常に難易度が高い。おそらく、海外の多くの将棋ファンにとってとっつきにくい内容なのではないかと思う(それは実は「最新戦法の話」にもあてはまるだろう)。
入門書でもなく、難解過ぎもしない棋書で、いったいどんな棋書が海外の将棋ファンに喜ばれるのか。ふと考えさせられた。あるいは「将棋年鑑」のように、じっくりと棋譜を楽しめ、かつ急所に簡潔な解説を持つような書籍が実は望まれているのではないか。そんなことが思い浮かんだ。
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棋書×タブレットPC
ただ、棋譜と解説をバンバンWeb上に貼り付けるわけにもいくまい。とはいえ紙の書籍を海外には売りにくい。電子書籍がまさに過不足なくしっくりきそうだ。タブレットPCを片手に棋譜並べ*1。スクリーン上で棋譜再生させるのではなく、あえて実物の盤駒で。遠くから見たらその光景は古風なものだが、片手は近未来のガジェットが占めている。デジタルとアナログの融合だ。
アメリカで先行発売されたiPadが、5月末には欧州そして日本で発売になる。「Kindle」を持つAmazonはだまっていないだろうし、ドイツからは「WePad」という製品が発売されるらしい。Sonyの「Reader」もこれから本腰を入れてくるだろう。
将棋界もこれらを活かさない手はない。
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