続・さいころ

前回の「さいころの話」の続き。
一般的に、さいころは1から6までの数字が均等な確率、すなわち1/6の確率で出るものとされている。実際、この「仮定」が確実に成り立つのならば、1回目にさいころを振ったとき何の数字が出ようが、2回目はその数字とは全く無関係である。例えば「1」が10回連続で出たとしたら、その確率は1/6の10乗。十分奇跡的な確率である。
しかし、この仮定が成り立たない場合だったら?極端な話、出目が6面ともすべて「1」だった場合(笑)、「1」が10回連続で出たとしてもなんら驚くことはない。
何が言いたいかというと、ある「仮定」を立てて議論を進めることは十分価値があるが、もしその仮定が間違っていたとしたら、その議論は「事実を探求する」意味においては何の価値も持たなくなる、ということである。
議論の中で、「背理法」のような形でその仮定が偽であることがわかればありがたいが、案外難しい。例えば、さいころを1万回振ったときすべて「1」の目が出たとしても、出目から評価しただけではこれがインチキさいころであるという証明はできない。「このさいころは1から6までの数字が均等な確率で出る」という仮定においても起こりうることだからである(確率は驚異的に小さいが)。

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この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

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