2008/06/02のエントリーで述べた
違法P2Pネットワーク(「WinMX」、「Winny」など)の規模は小さくなった(「Napster」は合法サイトとして復活)ものの、無料動画サイトに新曲やPV(プロモーションビデオ)などが氾濫。むしろ違法P2P時代より悪化?
について、補足しておく。
詳しくは、
違法コンテンツの種類はP2P時代のほうが多かったが、利用者数が現在の無料動画サイト時代のほうが桁違いに多いから、現在のほうがよりひどい状況である
というのが私の意見。
違法P2Pの時代
「P2P」とは「Peer to Peer」のこと。
参考:「Peer to Peer - Wikipedia」
P2Pシステム自体が悪いわけではないのだが、事実上海賊版コンテンツ、ソフトの交換の場と化してしまった。
音楽、動画以外にもゲームやアプリケーションソフトなど、様々なコンテンツが扱われていた。「コンテンツの種類の多さ」という点で、音楽、動画、静止画スライドショー等のコンテンツしか扱えない現在の無料動画サイトをはるかに凌駕していたといえる。
しかし、常軌を逸した量のコンテンツをアップロードした者の逮捕や、コンピュータウイルスを含んだコンテンツの氾濫のため、利用者は一定数以上には増えなかった。アーリーアダプターまでの普及止まりで、キャズムを越えられず、アーリーマジョリティーへは届かなかった、ということだ。
参考:
「アーリーアダプター − @IT情報マネジメント用語事典」
「キャズム − @IT情報マネジメント用語事典」
無料動画サイトの時代
そして今、無料動画サイトの時代。
YouTubeやニコニコ動画は、少なくともアダルトコンテンツを排除しクリーンな印象を与え、またウイルス等の存在も無いため、アーリーマジョリティー層の取り込みに成功した。
しかし、いつの間にか「二次創作作品問題」にメディアの議論がすりかえられてしまったためさほど大きく取り上げられなくなってしまったが、今でも普通に「一次創作品」が氾濫している。
また、アーリーアダプター層の利用するニッチな動画サイトには、アダルトコンテンツやドラマ・アニメが氾濫している。
別の問題、というか特徴としては、無料動画サイトはアーリーアダプター層に比べITリテラシーに劣るマジョリティー層へも普及しているものだから、「非」確信犯的に利用している者が多い。よくわからずにたまたま不正利用している「善人」を裁くのは難しいから、取り締まるほうもやりにくい。だからこそ、「皆で渡れば怖くない」的勢いでここまで発展できているといえる。
将来的には、ニッチサイトはともかく、主要な無料動画サイトは著作権関係をクリアにし、良い方向に進んでいくのは間違いない。良い方向にもいろいろあるので、どう進化しているか楽しみだ。
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