大槻将棋
GPS将棋ボット、ボナンザボットに続き、Twitterに「大槻将棋 (otsuki_shogi)」ボットが登場した。「大槻将棋」は、今年行われた第19回世界コンピュータ将棋選手権において、GPS将棋(優勝)に次ぐ準優勝を果たしたコンピュータ将棋だ。
3ボット寄れば文殊ボットの登場
「文殊」とは、上述の選手権で3位に入ったコンピュータ将棋だ。そのシステムはユニークで、「複数の異なる将棋プログラムの挙げた候補手の中から、適当な合議アルゴリズムに基づき着手を決める」というものだ。
上述の選手権では、「Bonanzaの評価関数に乱数を加えて複数のプログラムを作り、単純多数決で指し手を決める」というシンプルなシステムで出場したそうだ(その結果、Bonanzaより順位が上だった(ただし直接対決で負けた)という点も興味深い)。
今回、GPS将棋、大槻将棋、Bonanzaという3つのボットが揃ったおかげで、次の一手予測の多数決をとることが可能となった(バラバラな予測だった場合は、優勝に敬意を表してGPS将棋の着手を採用か)。各ボットのつぶやきは、形式はバラバラなものの、それぞれ手数と評価値と次の一手予測を記述しているので、これらを抽出して計算すれば、評価値の平均値と「多数決次の一手」をつぶやく文殊ボットが作れてしまうはずだ。
どなたか作成なさいませんかね。「文殊」という名前を拝借するのもなんなので(いいのかな?)、「majority_vote」(多数決)とか、「WisdomOfCrowds」とかですかね。ただし管理者の異なる3ボットなのでなかなか難しいか(いつの間にかつぶやきフォーマットが変わる、など)。
何をもって予測向上とするか?
とはいえ、文殊ボットを作っても、能力が向上しているのかどうかは評価が難しい。ボット自身が対局して勝敗の結果が得られるわけではなく、観戦補佐をしているだけだからだ。対局者との指し手一致率を評価に用いてもよいが、対局者が必ずしも最善手を指しているとは限らない。
このように課題は残るものの、参戦するボットが増えたことで楽しみは広がった。目に見えて「量が質に転化する」ときもくるだろう。
参考書籍
「みんなの意見」は案外正しい | |
ジェームズ・スロウィッキー 小高 尚子
角川書店 2006-01-31 おすすめ平均 |
コメント
コメント一覧 (4件)
>「文殊」という名前を拝借するのもなんなので…
文殊よりも強いでしょうから、釈迦の弟子の中で智恵第一と讃えられた「舎利弗(しゃりほつ)」ではいかがでしょうか。
> 不透明人間さん
お釈迦様の話には全然詳しくないのですが、ネットで調べてみるきっかけになりました。なるほど参考になりました。
将棋には和やアジアンテイストなネーミングのほうが似合っているかもしれませんね。
いや、舎利弗では合議システムのニュアンスがでないので「毛利兄弟」のほうがよいかなと思いなおしました。でも文殊より弱そう(^^;
> 不透明人間さん
もはや普通の人名ですね(笑)。
個人的に特別こだわりはありませんので、作ってくださった方が好きなように名付けていただければよいかと思います。