iPadで将棋は指しやすいのか

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「Apple iPad」登場

2009/07/05のエントリー「大画面タッチパネル液晶ガジェットを床に敷いて将棋を指したい」を書いてから、半年以上が経過した。
私の開発意欲は、夏の暑さが落ち着いていくのと同じくして冷めていった(苦笑)。秋には、期待していた「CrunchPad」がボツになり残念な思いをし、新年早々International CESでマイクロソフトがスレートPCを発表しても、特に期待は沸かなかった。
しかし、AppleがタブレットPCを出すとなると話は別だ。私自身これまで長い間iPodやiPhoneを使ってきており*1、実績と信頼(?というより愛着か)が違う。

iPadのディスプレイ性能をスペック表からチェック

さて、本エントリーで書きたいことを端的に述べよう。ずばり、「iPadで将棋は指しやすいのか」ということだ。これは、将棋だけでなく数々のボードゲームにも当てはまる疑問だろう。
まず、マルチタッチのタッチパネルはiPhoneと同様で問題ない。机置きまたは床置きになるので、重さも関係ない。気になるのは画面サイズと視認性だろう。

9.7型/1,024×768ドットのタッチ操作対応のIPS液晶を搭載し、iPhoneなどと同様にマルチタッチ操作が可能なタブレット端末。液晶の視野角は左右178度で、バックライトはLED。

画面サイズ

本体のサイズは242.8×189.7×13.4mm(幅×奥行き×高さ)。ただしこれはあまり重要ではない。重要なのは液晶画面のサイズだ。

画面サイズは9.7型。これは、約140mm x 200mmのはず。A4サイズの半分であるA5サイズが148mm×210mmなので、A5サイズを縦横それぞれ約10cm小さくした画面サイズと考えればよさそうだ。

わかりやすいように、将棋関連のアイテムと比較してみよう。
まずは通常の将棋盤。ただし、この私の所有している将棋盤は、よくアマチュア大会などで用いられているものよりも一回り小さいのでご注意あれ。奥に映っている対局時計を参考にしたほうが良いかもしれない。
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続いて、iPhone。小さい。これで将棋の対戦を行うのは相当きつい(というか、iPhoneでは無理だから代わるものはないか、ということが本議論の発端である)。ちなみに、iPhoneは「柿木将棋 for iPhone」を立ち上げている状態なのだが、写真でも目視でも相当見辛い。
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最後に、A5サイズの将棋書籍である「アマ4段を超える―コンピュータ将棋の進歩〈4〉」*2。前述の通り、これを一回り小さくした液晶画面で将棋を指せると考えればよい。
100円ショップで買えるような、ペラペラの小さな将棋盤は、ちょうどこのくらいのサイズだろうか。経験上、このサイズでも普通に将棋は指せるし、また第三者が脇から自然に観戦することもできるようなサイズだったと思う。
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おまけに、3つを重ねて撮影した写真がこちら。
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視野角

対局者が盤を覗き込む入射角は、約60度といったところか。視野角でいえば120度ということになるので、左右178度というスペックをうたい、かつIPS(In Plane Switching。詳しくは「IPS方式 - Wikipedia」参照)方式なので、全く問題無いに違いない*3

解像度

1,024×768ドット。つまりXGA。数年前に主流だったPCディスプレイと同じ解像度だ。問題無いだろう。

明るさ

LEDバックライト搭載。十分すぎる輝度があるに違いない。iPhoneと同じく、外光の強度に応じてバックライトをコントロールする明るさセンサー機能も付いているだろう。逆に無いときつい。iPhoneでは相当助けられている。

結論

指しやすいに違いない!*4

補足その1:アプリについて

すべてのiPhone用のアプリをApp Storeからダウンロードして利用できるとしており、iPhone用アプリは拡大表示するモードも用意される。

というわけで、iPhone用の「柿木将棋」などのタッチパネル対応(当然)アプリがそのまま使える。したがって、iPadを購入後、iTunesと同期をとれば、これまで購入してきたアプリがiPadにもインストールされるはずなので、すぐに対局が可能となるはずだ。
いずれはiPad向けに最適化されたアプリも各社から発売されるだろう。よりリアルに、横向き画面表示に対応して駒台を盤の左右に置いたモードがあってもよい。

追記:iPadを盤、iPhone駒台にするアイデア

HIDETCHIさんが、「iPhoneを駒台にすればよいのではないか」という驚異のアイデアを披露していた。iPadとiPhone2台を機器連携することで実現できる。取った駒が、右下の駒台(iPhone画面)上に画面をまたいで飛んでいく。または、打ちたい持駒と打ちたい場所を続けてタップすると、その駒が駒台から盤(iPad画面)上へ飛んでいく・・・想像するだけでも面白そうだ。盤のサイズもiPad上で目一杯に大きくできる。

補足その2:傾きセンサー、加速度センサー

平面置きを想定した対局モードを用意しておき、傾けると駒がずり落ちるような演出を加えてもよいかもしれない。もちろんその時点で「盤面破壊」で負けとなる。

補足その3:夢のある疑問

ホログラム方式などによる3D(スターウォーズのレイア姫、といえばおわかりだろうか)ボードゲームが、市販レベルで実現するのは何年後だろうか?そのためにはディスプレイのスペックを大幅に向上せねばなるまい。

*1:iPod nanoは紛失、Shuffleは買った直後に初期不良で交換、Classicはバッテリー膨張し液晶画面を内側から破壊、と散々な目に会ってきてはいるが。

*2:A5サイズの棋書はないか、と探していたら、まずこれが見つかった。

*3:ちなみに、「視野角」というスペックはコントラスト比10:1というゆるい基準を満たしている範囲を表しており、同じ178度をうたっていている製品でも端の方では見え方の良し悪しが歴然としていることがある。そこで、もう1つの判断基準として、VA方式でなくIPS方式であることが非常に心強い。これは液晶テレビについてもいえる。

*4:説明が面倒くさくなったわけでは決してない。

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この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

コメント

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  • 本文と関連のないコメントがありましたので、削除させていただきました。

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