タイトルの通り、2008/07/20に行なわれた大和証券杯最強戦2回戦、▲佐藤康光棋王VS△渡辺明竜王戦にて、後手渡辺竜王がノーマル三間飛車を採用した。
もっとのんびりエントリーにまとめようと思っていたのだけれど、本日(2008/07/23)始まった王位戦第2局、▲深浦康光王位VS△羽生善治名人戦にて、なんと後手羽生善治四冠が2手目△32飛戦法(いきなり三間飛車)を採用。
立会人の石田和雄9段が対局開始を告げると、先手番の深浦は初手7六歩と角道を開けた。これに対し、羽生は3二飛といきなり飛車を振った。
これを早く書いておきたくなったため、▲佐藤棋王VS△渡辺竜王戦を早々にまとめることに決めた(書く順番は対局日の順番に合わせたかった)。
超急戦▲4五歩早仕掛け
さて、大和証券杯最強戦▲佐藤棋王VS△渡辺竜王戦。棋譜は「大和証券杯ネット将棋公式ホームページ」を参照下さい。
後手の渡辺竜王は、升田式石田流でも2手目32飛でもなく、本当に普通の三間飛車を採用。きっと先手居飛車穴熊対策を用意していたに違いない(もしくは、本命の他棋戦用に、主力戦法は温存したのかもしれない(苦笑))。
しかし佐藤棋王は事前研究をはずし、三間飛車党ならば当然ご存知の超急戦▲4五歩早仕掛けを決行(第1図。「VS急戦&右四間のひとくちメモ」に参考になる対局がいくつか載っているので、興味ある方はご参照あれ)。
このあたり、渡辺明竜王のブログで感想が語られている。やはり「恐る恐る」だったようだ(^^;。
後手になったので三間飛車をやってみました。公式戦ではH18・4・王位戦▲谷川九段戦、H18・10・順位戦▲西川七段戦に続いて3度目。
三間飛車には居飛車穴熊が圧倒的に多いので、急戦策は意外でした。こちらが穴熊を予想して飛を振っているのがミエミエなので、急戦で、ということなのでしょう。
図から▲4五歩△同歩▲5五歩△同歩▲3七桂と定跡通りの仕掛け。全く経験がないので、恐る恐る指していました。改めて研究しておきます。
定跡の進化が見て取れる、良局面
とても参考になる書籍は下記の4つ。発売が古いほうから順に載せている。三間飛車党必読。
- 「振り飛車破り超急戦ガイド」(深浦康市先生 著)
- 「コーヤン流三間飛車 実戦編」(中田功先生 著)
- 「三間飛車道場〈第3巻〉急戦」(所司和晴七段 著)
- 「新・振り飛車党宣言!〈2〉三間、四間、ゴキゲン中飛車」(千葉幸生先生, 佐藤和俊先生, 横山泰明先生 著)
第2図を巡る攻防は、この4冊を通して目まぐるしく変わり、読み比べていてとても面白い。最終的には「新・振り飛車党宣言!」にて、第2図から▲6五角(振り飛車破り超急戦ガイド、三間飛車道場ではこの手で居飛車良しとしている)△4二飛▲5六角△5七歩!以下振り飛車良しとしている。詳しくは、2006/01/28に書いた書籍レビュー「新・振り飛車党宣言! 2」にて述べているのでご参照下さい。
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