形勢判断

コンピュータ将棋は、一つ一つの局面を数値化して形勢判断を行なう。具体的には、駒の損得、玉周辺の駒の数(遊び駒の判断などに用いる。攻めのスピードの判断にもなる)などキーポイントをいくつか挙げ、それぞれに重み付けをし、それらをまとめた評価関数によって数値化する。それぞれキーポイントの重みは序・中・終盤によって異なる。終盤は駒の損得よりもスピードを重視するのは皆さんもご存知であろう。そういった感覚をコンピュータにも導入するのである。話が難しくなるのでプログラミングの話はこの辺でやめておく。
さて、コンピュータに限らず人間も、数値化しないまでも局面を「先手やや優勢」や「先手必勝」等と判断する。形勢判断は、強くなれば強くなるほどしっかりしてくるものであり、アマチュア目では「まだまだ難しい」局面あってもプロ目では「先手必勝」であったりする。
この現象を、形勢を0から100までの数値([50:50]が互角)で表してみるとわかりやすい。ここでは駒の損得やスピードなどを完璧に評価した「神の形勢判断」を仮定している。このとき、アマチュアには[40:60]〜[60:40]までの局面を互角と判断したりする。強くなればなるほど厳密になり、神であれば「50.1:49.9」のような超微差の局面であってもしっかり形勢判断できる。初形(まだ一手も指してない局面)もまたしかりである。そしてそれをきっちり勝ちきる技術がある。したがって、上記の「相手への信頼」もふまえ、神VS神の将棋は初手で投了する、ということである。

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この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

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