続・瀬川昌司氏 将棋プロ入り六番勝負 第3局

2005/09/25のダイアリーで述べた、瀬川昌司氏 将棋プロ入り六番勝負第3局について追記する。

▲7八飛と寄った局面から△7六角▲同飛△2八角とするのは、前述の2005/09/25のダイアリーで述べた通り▲5五角からの切り返しで先手良し。したがって瀬川氏は△4四歩とし、この筋を消して相手の態度を見た。対する久保先生は▲1六歩。この意図は、私はてっきり「角交換には▲1七香を見せていい勝負」ということだと思っていた。
が、違った。すなわち上図以下、△4四歩▲1六歩△7六角▲同飛△2八角には、▲4六飛!△1九角成▲4四飛△4三香▲同飛成!△同玉▲4六香△3二玉▲4一香成△同玉▲4三角(下図)で先手良し。

なんとも強烈な手順である。というわけで本譜は、上図から△4四歩▲1六歩△6二銀▲4八玉△3二玉▲3九玉、と進行した。3九まで玉が移動すれば、もはや乱戦は無い。以上の手順は、将棋世界2005年11月号で解説されていたもので、大変参考になった。

ただし解説されていなかった手順として、△6二銀のところで△3二玉とし、▲4八玉にそこで△7六角▲同飛△2八角ならどうなるのだろうか。参考手順と同様に進んだ場合、▲4四飛が王手にならない。例えば▲4四飛に△4二香(1つ下段に打てる)▲3四飛△2二玉▲5五角△1二玉。もしくは戻って△3二玉の場合は▲4八玉とはしないのか?・・・といっても代わる手が見当たらない。△2八角には▲1七香で妥協?
書いているうちに気づいたのだが、△4四歩に対し▲1六歩を突く必要は無く、▲4八玉とすればよいのではないだろうか。以下角交換から△2八角なら、上図から下図への手順とほぼ同様。どうせ香は逃げないのだから▲一六歩を急ぐ必要は無い。そしてこの手順なら一手早く玉が3九に行けるので、上述の心配は無用となる。・・・と思ったが、この場合は▲4六飛に対し後手は受けに回り(△3二玉▲4四飛△4二銀など)、機を見て△1九角成か。先手は▲1七香と手を戻すことができない。もし▲1六歩が突いてあれば、▲4六飛に対し後手に受けに回られても、ポイントを稼いで(▲4六飛に対し△3三玉や△4三玉は▲6六角などがあるので先手良し。したがって必ず4四の歩はかすめとれる。例えば△3二玉▲4四飛△4二銀のところで▲1七香と上がれる。また、下手な受けで飛車金交換となれば▲1八金で角を殺せる。必ずポイントを稼げそうだ。)から▲1七香と手を戻せばよい。

なお、さらに戻って上図からの△4四歩に代わり、このタイミングで△3二玉と寄る手もある。これは 「瀬川晶司氏 将棋プロ入り六番勝負」ブログ/ウェブ/ウェブリブログ "序盤の変化"によると、アマ大会の実戦で指された一手だそうで、「たとえば▲4八玉ならば、今度こそ△7六角▲同飛△2八角が成立するのではないか。以下▲5五角△1九角成▲1一角成△2二銀▲1二馬△1一香で後手よし。」と述べられている。
書きながらいろいろな変化が思い浮かんでしまったので、最後のほうはまとまりの無い文章になってしまったm(_ _)m。おそらくこの辺りの変化は、なにかの将棋情報誌ではすでに取り上げられていそうな気がするが、残念ながら私は知らない。もしご存知の方いらっしゃいましたら是非教えて下さい。

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この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

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