2008/04/28のエントリー「高機能将棋棋譜ビューアー構想 - 将棋の神様〜0と1の世界〜」で述べた構想を拡張してみる。
ベースは、「ニコニコ動画」−「動画」+「棋譜」。これだけだと身も蓋もないアイデアだ。これにプラスして、「将棋世界」誌で連載されていた「将棋カウンセリング」のオンライン版みたいなものに期待したい。投稿者は、
- コメントを欲しい局面を指定する。
- コメントしてほしいプロ棋士を指定する(オプション)。
プロ側は、最善手を指摘する一方、適当な局面を選んで気風に合った手も紹介し、アドバイスする。
- 「谷川浩司だけど、なんでも光速で寄せるよ」
- 「田村康介だけど、なんでも高速でレスするよ」
- 「木村一基だけど、受けの手しか教えないよ」(余談だが、以前の小学生名人戦の感想戦で、負けた小学生に「この局面で、こうすれば受け切れたんだけどね。」と受けの手をアドバイスしていたのには笑ってしまった。のびのびと勢いよく指すチビっ子達相手なのだから、普通は急所の局面としては寄せの手がある局面を選ぶのに・・・)
- 「神だけど、なにか質問ある?」(羽生善治)
有料化は、盛り上がり次第で順次。
(敬称・段位略です。すみません。元ネタはこちら↓)
「はてなハイクで吉田戦車さんと遊ぼう!『吉田戦車だけど、なんでも描くよ』始めます - はてなハイク日記」
「「吉田戦車だけど、なんでも描くよ」――はてなハイクに“降臨” - ITmedia News」
普通に「棋譜投稿」+「一手毎にコメント付け可能」+「一手毎にBGM付け可能」+「タグ付け」でも盛り上がらないだろう棋譜コメントコミュニティの、起死回生策になるか?!なりきれないだろうな。いや、筋に入れば・・・
少なくとも将棋世界誌上の将棋カウンセリングと比較すれば下記のような利点がある。
「この速さなら聞ける!」*1という投稿者も現れ、将棋普及の裾野も広がるのではないだろうか。もはやこの機能だけ切り取って、「将棋Q&Aサイト」でよい気がしてきた。
ところで、よく言われるのが、ニコニコ動画の非同期性、擬似同期性。今更だが古い記事を取り上げてみる。
Second Lifeはあくまで同期をもったサービスであるが、Twitterやニコニコ動画は単純に同期、非同期という時間の考え方に当てはまらない、新しい時間性を持っているというのだ。(中略)
濱野氏はニコニコ動画の時間性について「疑似同期」という言葉で説明する。動画の同じタイミングで表示されるコメントの1つ1つは、それぞれ現実の時間の流れの中では別の時間に投稿されたものだ。しかし、動画を視聴するユーザーから見ればあたかも数多くのユーザーが同時に動画を見ているような感覚になるということだ。
Twitterの選択同期、ニコニコ動画の疑似同期という考え方を挙げた上で、濱野氏は「客観には非同期であるが、ユーザーの観点では同期している」と両サービスの共通点を説明した。
- 「なぜ「ニコ動」は盛り上がり、「Second Life」は過疎化するのか (1/2) - ITmedia News」
- 「第11回 セカンドライフ考察編(6) :ニコニコ動画が「活況を呈している」のはなぜか? | WIRED VISION」
- 「第12回 セカンドライフ考察編(8) :「現実世界を模倣する」セカンドライフ/「現在を複製する」ニコニコ動画 | WIRED VISION」
いろいろと御託が並べられているが、なんだかんだいってもニコニコ動画が盛り上がるのは「面白い動画(ネタ)があるから」だろう。仮にセカンドライフで、ユーザーが自身の行動ログ(どの仮想店に入った、何を買った、など。)や3D空間上のGPS移動ログを後で把握できたり、そのログを他者が閲覧できるようにできるフォロワー機能を付けたって、盛り上がらないはず(セカンドライフはやったことがないが、そういう機能はすでにあるのかもしれない。というか、3D仮想世界におけるフォロワーって、おもいっきり「擬似同期ストーカー」になってしまい気味が悪い(苦笑))。そして、ニコニコ動画を真似た棋譜投稿・コメント付けコミュニティがあったとしても、そのコミュニティは普及しないことが容易に想像付くことからも、優良コンテンツがベースとして必要なことは明らか。
ちなみに、コメントの付け方が、ニコニコ動画の場合再生中の任意の時間に付けられるのに対し、棋譜投稿・コメント付けコミュニティの場合は一手毎になる。同じ擬似同期コミュニティであっても、コメントの付け方のシステムに連続系と離散系の差がある。この差の活用を、構想(妄想)の今後の課題としたい。
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