助言と、悪手と、モンティ・ホール問題

「助言」に関する問題を、2つ出そう。あなたは、助言をどう活用しますか?

目次

問題1「プロ棋士が話しかけてきた」

優勢をキープしている終盤戦。あなたは、3つの手のうちどれにしようか悩んでいる。

  • 攻める手
  • 守る手
  • じっと手を渡す手

このうち、1つだけ優勢をキープできる。他の2つを指すと、たちまち逆転される。
全くわからなかったが、カンで決めることにした。
あなた:『よし、攻める手にしよう。』
意志を固めた刹那、隣にいたプロ棋士が話しかけてきた。
プロ:「君の悩みはわかっている。3つのうちどれにするか迷っているね?」
あなた:「はい。」
プロ:「どれを指すつもり?」
あなた:「攻める手です。」
プロ:「なるほど。じゃあ残る2つの手について、重大な情報を教えよう。じっと手を渡す手は、悪手だ。」
あなた:「え?!じゃあ守る手は?」
プロ:「それは秘密。さて、君は手を変えてもいいけど、どうする?」

あなたは、手を変えますか?

問題1ルール補足:

  • あなたがどの手を選んだかにかかわらず、プロ棋士は残りの手のうち1つに必ず言明する。
  • プロ棋士は最善手(優勢をキープできる手)を知っていて、必ず悪手を伝える。もし両方とも悪手だった場合はコインを投げて決める。

問題2「プロ棋士がつぶやいた」

問題1と、同じ条件の局面。あなたはやはり悩んでいる。
あなた:『よし、攻める手にしよう。』
意志を固めた刹那、隣にいたプロ棋士が、あなたに話しかけるでもなく無意識につぶやいた。
プロ:「じっと手を渡す手は、悪手だな・・・」
あなた:『?!』

あなたは、手を変えますか?

問題2ルール補足:

  • プロ棋士はあなたがどの手を選んだかを知らない。
  • プロ棋士は最善手(優勢をキープできる手)を知っていて、必ず悪手をつぶやく。複数ある悪手のうち、コインを投げて決める。したがって、プロ棋士はあなたが指そうとしている手を悪手とつぶやく可能性もある。この問題は、そうはならなかったケースにあたる。

補足

将棋の問題ではなく、確率の問題として考えてほしい。
解答はいづれ書くつもりだが、気の早い方は、「モンティホール問題」でWeb検索をかければ一発で解答はわかる。が、本当にその解答が正しいのか、信じられないかもしれない。

大学生時代に読んだ「確率」の書籍で、この問題のことは知っていた。先日観た映画「ラスベガスをぶっつぶせ」の序盤でこの問題が出てきて、とても懐かしかった。
余談だが、この映画を見る前のゴールデンウィークに、旅行で訪れたオーストラリアの合法カジノ(初のカジノ体験)でブラックジャックをし、数万負けた。まぁ先に見ていたとしても、何の役にも立たない内容だったが。

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2008/07/11追記

煮て緋なる物さんのコメントを反映し(ありがとうございました)、文頭に一行加筆した。

2008/07/13追記

説明不足はまずいと反省し、7/11追記分も含め「ルール補足」としてまとめた。

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この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • プロ棋士がうそ情報を与えていないという保障がどこにもないので、この場合はどちらもモンティホール問題やその変種じゃないような気がしますが。

  • > 煮て緋なる物さん
    コメントありがとうございました。
    「プロ棋士」を、完璧に読み切っていて嘘を付かない存在と設定していただければと思います。
    他には、読み切れていない人が、「このうち、1つだけ優勢をキープできる。他の2つを指すと、たちまち逆転される。」なんてことを断言できるわけがないのですが、そういう設定としています。

    厳密に言えば、本来のモンティホール問題もそうですが、プロ棋士(本来の問題ではモンティ)は、回答者が解を決める前に「君が何を指そう決めようが、それ以外の2つの選択肢について悪手(ハズレ)を教えてあげる」と宣言しておかないとまずいはずです。が、文章をすっきりさせたいがためにそれらを端折っています。

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