オバフィフ(Over 50)層を、将棋に再注目させるには

目次

50歳以上のネットユーザーの利用動向は・・・

今月はじめ、50歳以上の方々のインターネット利用動向が記事になっていた。

上位10ドメイン中、実に7ドメインが証券取引関連という結果となった。(中略)旅行関連サイトも証券取引関連に次いで上位に見られる。(中略)ネットは証券取引や旅行情報収集のツールとして威力を発揮しているようである。

なるほど。参考になった。証券取引で一儲けすることを夢見る親世代・・・その姿からは、後の世代の若者たちは夢のある将来を見出せないのだが(苦笑)。

ところで、一般的な趣味ページの利用状況はどうなのだろう。単刀直入に言えば、将棋関連情報収集に利用しているのだろうか。大手新聞社Webサイト内の棋戦情報や将棋関連サイトには訪れているのだろうか。

最近流行の「アラサー」(Around 30)、「アラフォー」という呼び方にちなみ、50歳以上の層を短絡的だが「オバフィフ」(Over 50)と呼んでおこう。オバフィフ層の潜在将棋人口は少なくない、というか多いはず。この潜在顧客を、どうにかインターネットを通して将棋界に再注目させたい。この層は、当然ながらインターネットの存在しない、テレビを中心とした世界を生きてきている。プル型でなくプッシュ型のメディアにどっぷり漬かってきている層なので、ほっといた場合いまさら将棋界の情報を勝手にプルしていってくれるはずがない。

技術的な吸収力を考えると、RSSフィードブログパーツなどの提供は効果的ではない。というかそもそもフィードリーダーやブログはあまり利用されていないはず。うまく目につくよう、普段見ているだろう大手ニュースサイトのトップページに特集へのリンクを大々的に載せるのが、シンプルだが最も効果的だと考える。しかしこれは簡単ではない。

2008/06/25 追記

50代を含む全世代のネットマーケティングについて新たな記事が見つかったので、追記しておく。

新聞/雑誌の広告をきっかけに企業/商品の公式サイトにアクセスする行動も40代、50代に多く見られる。同社は、マスメディアから得た情報をきっかけにWeb検索や企業サイト訪問などを実行するクロスメディア型メディア接触行動が全世代に広がってきたと指摘する。

情報のプル能力について、50代を甘く見ちゃいけないですね。

梅田望夫氏による棋聖戦観戦コラムに大いに期待

前述のように妄想していたら、なんともいいタイミングで梅田望夫氏(id:umedamochio)のブログにてこんなエントリーが。

佐藤康光棋聖棋王に、羽生善治王将・王座が挑戦する今年の棋聖戦。第一局が6月11日(水)に開幕します。(中略)
対局当日は、対局の進行とともに、何本かの「特別観戦コラム」を書き、それらはリアルタイムでMSN産経サイトに掲載される予定です。(中略)
そしてその翌週に帰国してから、第一局観戦を総括したコラムを、産経新聞文化面に書きます(たぶんネットにも同時にアップされると思います)。

これにはとても期待したい。氏の著書「ウェブ進化論」の終章で簡潔に述べられている通り、氏はIT産業の経営コンサルタントとして年長の経営者の方々と接しており、その世代のITリテラシーを把握している(もちろん「はてな」取締役として若者の感覚も把握している)。将棋に興味のある若者は、ほっといても検索やWeb2.0ツール(フィードリーダーソーシャルブックマークなど)を使ってWeb上の将棋情報を自力でプルしていくので、個人的にはオバフィフ層へ向けて「インターネット時代の将棋」を伝え、心(郷愁、懐古、好奇心etc)にリーチできるような内容となることに期待したい。ただの観戦記と見せかけて、その実はオバフィフ層の将棋界への呼び戻し。

具体的アプローチを示すと、オバフィフ層にとって「リアル」な世界だった「大山時代」について触れ、続いて90年代後半の「羽生善治七冠狂騒曲」に触れ、そして今の「インターネットとコンピュータありきの将棋界」を伝える、という流れ。有名な「学習の高速道路」とその先の「大渋滞」または「けもの道」に続く新エピソードに期待。

これは私の個人的な意見。記事の分量、スペース的にそんな余裕はないだろう。実際どのような内容になるか、楽しみだ。

2008/06/11追記

上で「記事の分量、スペース的にそんな余裕はないだろう。」と書いたけれど、大間違い。分量が尋常じゃない!観戦記の域を完全に越えている。手合違いすぎる。
「梅田望夫 - コラム・オピニオン - MSN産経ニュース」
梅田氏は後日まとめコラムを執筆なさるとのことなので、その後このブログで「観戦記の観戦記」を書いてみる予定。

この記事を気に入ったらシェアしよう
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

コメント

コメントする

目次
閉じる