「光人間」谷川を錯乱させる、「冥王」羽生

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黄猿 VS シルバーズ・レイリー

まずはONEPIECEネタで。現在「週刊少年ジャンプ」誌上では、大将・黄猿(「ピカピカの実」の光人間)と「冥王」シルバーズ・レイリーの戦いが描かれている。
どうやら、この2人が戦うことを見越して、「シルバーズ・レイリー」という人名は決められていたようだ。というのも、光を散乱する効果のことを「レイリー散乱」と呼ぶからだ。

レイリー散乱(レイリー卿ジョン・ウィリアム・ストラットにちなむ)は、光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱である。透明な液体や固体中でも起きるが、典型的な現象は気体中の散乱であり、太陽光が大気で散乱されて、空が青くみえるのはレイリー散乱による。
散乱の量は粒子の大きさと光の波長による。散乱係数は波長の4乗に反比例する。

つまり、光人間の天敵としてレイリーが描かれている模様。この辺が、伏線や各界の専門用語の使い方が巧みな漫画家・尾田栄一郎先生のすごいところだと思う。
余談だが、レイリーは悪魔の実の能力者なのだろうか?空気や大気っぽい性質(スカスカ)、そして「散乱」のことを「scatter」ということから、「スカスカの実」(自然系。もしくは普通に「エアエアの実」かな)の空気人間と予測しておこう。

谷川十七世名人 VS 羽生十九世名人

話を将棋に移す。
2008/06/08のエントリー「プロ棋士を悪魔の実の能力者に例えると?」で例えた、「光人間」谷川浩司九段。
谷川先生の書籍「構想力」P122で

 誰にでもスランプはある。やることなすことが裏目に出るという状態は、誰もが経験していることだろう。私の最大のスランプは30代前半にやってきた。20代の私は、まさしく絶好調であった。平成三年度には四冠を達成し、永世名人も目前だった。
 ところが、そこからなかなか勝てなくなった。最大の原因は羽生さんの存在だった。私はタイトル戦で羽生さんに7連敗した。そのころは、タイトル戦の挑戦者になっても正直うれしくなかった。もちろん、名誉なことではあり、うれしくないはずはないのだが、相手が羽生さんということになると、もう気が重くて、素直に喜べなかった。

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と述べられているように、谷川先生にとって最大の天敵は、羽生名人だ。上記エントリーで「破壊の神」と私が名付け、また将棋世界誌上で「勝負の鬼」や「棋神」と例えられる羽生先生であるが、この際黄猿VSシルバーズ・レイリーの対決構造に合わせて、「冥王」の称号も羽生先生に与えてしまいましょう(7冠に次ぐ8つ目のタイトル?)。

光人間・谷川先生の光速流を「散乱」ならぬ「錯乱」させる羽生先生の能力といえば、スピード絡みのキーワードで繋げるのであれば、それは勝又先生が「将棋世界」2008年9月号と10月号の「これならわかる!最新戦法講義」の中で述べている「スピコン(スピードコントロール)」能力であろう。スピコンテクニックの詳細については、上記講座を是非ご覧あれ。「押して引いて」の絶品の指し回しが堪能できる。

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さて、上記「構想力」の中で、谷川先生は「自分は自分」を貫くことで調子を取り戻したと述べている。一局一局の中では、羽生の「スピコン」に惑わされず「マイペース」で、の意識といえるだろうか。
今後も、「光人間」谷川と「冥王」羽生の、激しく面白い戦いに期待したい。(谷川先生、早く復調してください!)

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この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

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