名人戦における「サイン事件」の追記

昨日のエントリー「サインを求める記者に対する羽生名人の対応」に追記する。
サインをお願いしていたのが、観戦記者東公平氏であることを知った。

朝、観戦記担当の東公平さんが、扇子に関係者の寄せ書きを集めているという話を聞いた。東さんは名人戦をはじめ多くの観戦記や著作があり、将棋界に多くの足跡と業績を残してきた功労者。年齢や状況を考えると、もしかしたら今回が最後の観戦記になるのではという噂もあっただけに、扇子はいい記念になるだろうなと微笑ましく思った。

私的名人戦第1局 - お仕事ブログ

昔から新聞の将棋欄や将棋雑誌をご覧になっている方なら、東公平氏の名前を見たことがないはずがないだろう。これだけ将棋界に精通した方が・・・と、この事実を知ってとても驚いた。
私自身は氏の観戦記に特別な思い入れがあるわけではないが、ファンの方も多いに違いない。

将棋の観戦記者というのは、独特な仕事である。まず、ある程度将棋を専門的に理解する能力がないと話にならない。その一方、文章なのだから、読ませるという要素も不可欠だろう。両方兼ね備えていて、なおかつ、両者のバランスを絶妙に保てるのが、理想の将棋観戦記者なのだろう。言うまでもなく、東さんは、その両者を兼ね備えた記者の一人である。

ものぐさ将棋観戦ブログ : 東公平さんの観戦記より

事件の裏側が、ごとげん氏の上記エントリーを見て「人情的に」理解できた。ただしその手段が間違っていたのは事実。昼食休憩、または2日目の再開前に行っておけばよかったことだ。

対局後の羽生名人と東記者のやりとりのエピソードも含め、上記ごとげん氏のエントリーはとても参考になった。与えられた情報量によって、出来事の評価が多少なりとも変わってきてしまうことも体験できた。

2009/04/12追記

kuroumaさん、ご紹介ありがとうございました。

この記事で紹介されている,ごとげん氏(後藤元気氏)の「お仕事ブログ」のこのエントリーのような冷静ですばやい情報提供が,この事件を不可解に思っている私のような一般の将棋ファンが求めているものであり,一連の報道による混乱を収拾していくために不可欠なのだと実感した。

http://blog.goo.ne.jp/kurouma_2006/e/f04a237854710073a706703c47c2aa5b

ほぼ同感です。
内容的に内輪のエピソードなので、主催者の公式発表とするのは難しかったかもしれませんが、運営関係者が「実名で」情報を補完したことはとても良い流れだったと感じました。そして改めて、個人がブログのようなメディアを持てるとはすごい時代になったな、と感じます。

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この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

コメント

コメント一覧 (3件)

  • 早速フォオーしていただき恐縮です。
    (それなのにこちらのレスが遅くてすいません。)

    週刊将棋の4月15日号を購入しましたが,あれほど話題になった名人戦第1局のサイン事件については,見事なぐらいスルーされていました。
    ごとげんさんが,実名で書かれたブログがいかに貴重だったかがよくわかります。
    こちらのブログはいつもユニークな視点で将棋について考察されておられますので,興味深く拝見しております。三間飛車党ではありませんが(笑),今後ともよろしくお願いいたします。

  • > kuroumaさん
    コメントありがとうございました。

    いえいえ、kuroumaさんのエントリーにコメントは残さず、さらっと本エントリーに追記という形をとったので、気付かれないかなと思っていたくらいでした。わざわざありがとうございました。

    こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。

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