渡辺明竜王、△7九銀の絶妙手で勝利
既報の通り、第22期竜王戦第3局において、渡辺竜王が勝利し、対戦成績を3勝0敗とした。
将棋の渡辺明竜王に森内俊之九段が挑戦する第22期竜王戦7番勝負の第3局が、10日から京都市の東本願寺渉成園で行われ、11日午後4時26分、104手で後手の渡辺が勝ち、3連勝とした。
絶妙手「△7九銀」を読んでいたGPS将棋ボット
本局では終盤96手目に、解説陣の誰もが予想していなかった△7九銀(第1図)という絶妙手が放たれ、以下渡辺竜王が寄せ切った。詳しい解説と棋譜は、上記竜王戦サイトをご参照あれ。
しかしこの△7九銀は、「Twitter」上のGPS将棋ボット(@gpsshogi)の読み筋に入っていた。
[(94) △3九飛] -741 ▲8八玉△7九銀▲同金△8七歩▲7八玉△7六桂
もしかしたら△7九銀の代わりに単に△8七歩でも寄っているのかもしれないが、解説陣が全く気付かず、渡辺竜王が着手した△7九銀が読み筋に入っているのは、間違いなく強い証だ。
コンピュータ将棋ボット陣による「△7九銀」の周辺
ただ、この一手が読み筋に入っていたからといって、GPS将棋ボットがタイトル保持者クラス並に強いと判断するのは明らかに時期尚早だ。検討・解説の立場と対局者の立場とでは、その真剣度合いの違いのため、読みの量と質が格段に違う。
また、この一手に限らずコンスタントに最善手を指し続ける必要がある。
この後者の検証の参考に、本局終盤87手目〜98手目におけるコンピュータ将棋ボット三強(GPS将棋ボット、ボナンザボット(@Bonanza_shogi)、大槻将棋ボット(@otsuki_shogi))の評価値と読み筋をフラ盤でまとめてみた。コメント欄を参照あれ。
正確なことは私には判断が付かないが、全般的にプロ棋士の検討する最善手とは少しズレがあるように思える。
これらが意味していることは、
- 全般的に人間が優れているがたまにコンピュータが勝る
ということか、はたまた
- 全般的にコンピュータが優れている
コメント
コメント一覧 (2件)
ボナンザBotさんも日本語に変換して
表示されるとありがたいのです
> makさん
そうですね。ボナンザボットはCSA形式の表記のままなので読みにくいです。
大槻将棋ボットも、「銀成」となるべきところが「成銀」となっていたり、不要な「打」表記が付いていたりと完璧ではありません。
今回は私の手作業で書き直しました。
その一方で、GPS将棋ボットの完成度には驚かされます。