「将棋思録〜あり得べき世界の、そのあり得べき理由について、問う。」(id:readingknowledgeさん)で述べられている、「指さない将棋ファン」に向けた「将棋スコアボードと駒割グラフ」のアプローチ。とても参考になりました。
8月2日のエントリ「対局中継と普及」において「指さない将棋ファン」向けに必要だと主張した「将棋スコアボード」と「駒割グラフ」をこの二月ほど実際に試してみた。対局中継の継ぎ盤として短評と共に掲げる形式をとしました。中継を見ていて気づいた人がいるのかどうかはわからないですが、なるべく具体的な手順について言及しないようにしました。
さて、将棋に興味があるけど周りに将棋好きがいなくて困っている人、または全く将棋に興味がない人に、これから将棋を楽しんでもらうためのアプローチとして当然考えられるのが、「将棋を自然と楽しく覚えさせて、指せる(とにかく1人でそれなりに対局できる)ようにすること」。これは、簡単なようで難しい。いきなり入門書を読ませても、気が滅入ってしまうかもしれない。
そこで、将棋漫画を導入に利用するのは良い案だろう。例えば、「ハチワンダイバー」。
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これで将棋にぐいぐい興味を引き付けられる、かもしれない。そして続いて読ませるのが、「三軒茶屋 別館」様の以下のエントリー。
『ハチワンダイバー』は将棋というマニアックな題材を扱っているにもかかわらずドラマ化されたりもした人気漫画ですが、それだけに、将棋をよく知らないまま楽しんでいる方も多いと思われます。そんなわけで、今回は『ハチワン』を読んで将棋に興味を持った方向けのオススメサイトをいくつか紹介してみたいと思います。
「ルールを覚えよう」→「将棋を指してみよう」→「戦法を覚えよう」→(以下略)・・・という流れで解説されている。とてもよくまとまっていると思う。個人的な感想を述べると、昔ド素人の大学生に将棋を教えたときの経験上、
- 小学生以下には上記順番でOK
- 中学生以上には「将棋を指させる」前に「戦法を覚えさせる」ほうがよいのではないか
と感じる。区切りは中学生/高校生のところかもしれない。人にもよるのでとりあえず大雑把に決めてみた。
というのも、ある程度思考能力が固まってきたり、将棋に限らず「勝負」や「勝敗」の概念を覚えてしまっていると、「とりあえず駒を動かしてみる」という考えができず、どうしてよいかわからず序盤から延々と考えてしまう傾向があると思う。まぁ実際には、「ルールを覚える」フェーズにてある程度囲いや攻め方が目に入ってきて「とりあえずの指し方」がわかっている可能性もあるので、そう厳密に定義する必要もないが。
「戦法を覚えよう」のフェーズでは、
が紹介されている。「三間飛車」のところでは、「三間飛車のひとくちメモ」と「非定跡党」が紹介されている。ありがとうございます。
実は私は「ハチワンダイバー」の序盤の方を読んだことがなく、ドラマも序盤を見逃しているのでわからないのだが、おそらく序盤で「棒銀」や「カニカニ銀」がフィーチャーされていたのだろう。雁木は今でも主人公が採用しているので知っている。「三間飛車(早石田)」について把握しているのは言わずもがなで、「ハチワンダイバーの新石田流にみる「終わり」の定義とは」などのエントリーで取り上げている。
というわけでほぼ解説丸投げのエントリーなのだが(すみません)、導入として漫画を利用すると、上記「三軒茶屋 別館」様の解説の通り自然と興味を持って将棋の勉強を進めていけるかもしれないよ、というお話だった。参考になれば幸いだ。
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