局面解析

4/27のひとくちコラムからほったらかしになっていた、将棋の局面解析の話。ついにid:yaneurao氏のコンバータを使う日が来た。ただし、使用局面がばかばかしいほど簡単である(笑)。
ルールは「詰む将棋」(誤植ではない)とする。先手側は王手をかけなければならない。後手玉を詰ませば、すなわち一手詰めの局面(このコラムでいう「終局」の局面)を作れば先手勝ち、王手がかからない局面まで持ち込めばその時点で後手勝ち、というルールとする。優勢側は、最短手数で勝つ手順を最善手とし、不利側は最長手数かせげる順を最善手とする。
さて、このような簡単な局面ならば、両者が最善を尽くしたときの勝者とその手数は、誰でもおわかりであろう。






















手数−指し手−形勢−終局までの手数
第0手−初形−先手勝ち−1手
第1手−▲8二金打(最善手)−先手勝ち−0手(終局)
以上。
では、もし先手が一手目に▲7二金直としてしまい、その後両者が最善を尽くした場合は?
手数−指し手−形勢−終局までの手数
第0手−初形−先手勝ち−1手
第1手−▲7二金直(悪手)−後手勝ち−3手
第2手−△同玉(最善手)−後手勝ち−2手
第3手▲8三金(最善手)−後手勝ち−1手
第4手−△同玉(最善手)−後手勝ち−0手(終局)
以上。3手目▲8三金のところは、どこの金打ち王手でも取られて同じである。
玉方が間違える展開については、また次回。
先に、結論というか皆が忘れがちな事実を再確認をしておくと、形勢が逆転するのは優勢側が悪手を指した時点である。ときどき、「形勢逆転の好手」だとか「この一手が好手で形勢逆転。」というような表現を見かけるが、厳密にはその一手前に形勢が逆転しているのであり、直後の一手は、例え人間的に難易度の高い「好手」であっても、「優勢を維持する一手」であって決して形勢逆転の一着ではない。

忘れないうちに追記しておくと、このコラムでいう「悪手」とは、厳密に形勢が逆転してしまう一手のことである。かなり優勢な(優勢を維持できる手数が多数ある)局面において、「この一手が悪手で形勢がつまった(人間的に、勝ちまでの手順がわかりにくくなった)」のように用いられる「悪手」は、このコラムでは「次善手」に相当する。逆転されなければ悪手とは言わない。神的には、単に終局までの手数が伸びた一手とみなされる。本コラムにおける各用語の定義(かなりいいかげん)は以下の通り。
「終局」の定義→2/18のコラム
「最善手」「次善手」「悪手」等の定義・参考→2/23のコラム

この記事を気に入ったらシェアしよう
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

コメント

コメントする

目次
閉じる