序中盤も、時には駒の損得より速度

「終盤は駒の損得より速度」といわれる。逆に言えば、中盤や序盤においては、駒得して明快に良くする順で人間的には十分である。序中盤戦の次の一手・級位者コースに、そういう問題がよくある。「駒組みを続けても問題無いけど、実は後手陣に重大な欠陥があり、それを突けば明快に良くなるよ」、という問題のことだ。・・・だがその手順は、実は最善手では無く、次善手かもしれない。形勢が明快に良くなることと、終局までが最短となることは違う(色々な勝ち方のある終盤戦で、「鉄板流」の一手を放って明快に優勢にすることも、これと同じか)。局面によっては、終局までの手数を考えた場合、それ以外の手が最善手であることが有り得る。
他に明快な手順があるのならば、人間は読もうともしないが、神様には最速の手順が見えている。序中盤戦の次の一手・級位者コース問題の中に、「次の一手・神コース」問題が潜んでいる可能性があるのだ。
なお、終盤戦の次の一手問題は、基本的に正解手順が唯一優勢を保てる最善手順であり、それ以外の手を指すと負けるので、これらの話は全く成立しない。

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この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

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