全く読めない優勝争い
2010/05/02より、第20回世界コンピュータ将棋選手権が行われる。
コンピュータが恐ろしいほど強くなっているのは、各所で報じられている通りだ。今回も、ハイレベルな戦いが繰り広げられることだろう。優勝チームも全く予想が付かない。
「対プロ棋士」合議参加権争い?
今回の選手権は、その先に見すえる「対プロ棋士戦」の前哨戦としての楽しみがある。
私は2010/01/13のエントリー「第5回コンピュータ将棋 世界最強決定戦 2010 開催」の中で、
今や、ボナンザに限らずコンピュータ将棋業界全体的にとんでもなく強い、というのが真っ先に注目されていて、ボナンザチルドレンかどうかは焦点では無くなってしまった風潮を感じる。
アマトップを凌駕し始めたのは各所でのエキシビジョンマッチの結果が示しており、始めに餌食になるプロ棋士は誰なのか、そしてトッププロと対局したらどうなるのか、如実に現れる勝敗の結果に興味が戻ってきていると思う。
と述べたのだが、3年間の空白を経て*1まさに今年実現することになったのは、実力的にもファンの「空気」的にも機が熟したから、といえるだろう。
さて上述のリンクによると、今年秋に予定されている清水市代・女流王位VSコンピュータ将棋に用いられるコンピュータは、
対局では、複数のソフトを疎結合で並列計算させ、それらの意見を集約して次の一手を決める合議アルゴリズムを使う予定。
「GPS将棋」「Bonanza」「激指」「YSS」「TACOS」「柿木将棋」などから、実験をもとに最適な組み合わせを採用する。合議より単独が強ければ単独の可能性もあるという。
とのこと。察するに、「対局が行われる時点で最強のコンピュータを用いる」という方針なのだろう。
おそらく合議のほうがベターになっていそうな気がするので、テーマは「どのコンピュータ将棋を合議させるか」になるだろう。今回の選手権で、その辺りの方針が見えてきそうだ。あるいは、合議優位論を吹き飛ばすようなぶっちぎりの優勝チームが現れるかもしれない。要注目だ。
*1:2007/03/21に渡辺明竜王VSボナンザが行われて以来の、プロ棋士VSコンピュータ将棋の公開対局となる。詳しくは「ボナンザが渡辺竜王に迫る: 詰将棋メモ」等を参照。
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