「AR」とは
「AR」(Augmented Reality)をご存知だろうか。最近各所で結構話題になっている気がする。
拡張現実(かくちょうげんじつ)とは現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを示す。英語表記はAugmented Reality 、省略形はAR。
この技術を将棋に適用して面白いことができないかと考えたとき、真っ先に思い浮かんだのがこれだ。
なるぞうくんを盤上に再現してみる
「なるぞうくん」は、将棋漫画「ハチワンダイバー - Wikipedia」の登場人物・文字山ジローの代表作で、またその漫画に登場する「歩」のキャラクターの名前だ。
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なるぞうくんは駒の上を浮遊している。これをARで再現してみた。Webカメラで撮った映像に、後からなるぞうくんのグラフィックを乗せたわけではなく、リアルタイムで自動的になるぞうくんが駒の上に乗るようになっている。拡大・縮小も自動。
私は3Dグラフィックスを描画した経験が無く、即興で数時間かけて作ったこのなるぞうくんが初作品となる(笑)。3Dグラフィックス作成ツール「Metasequoia」(詳細は後述)上でレンダリングした時点では下図のようにまあまともなデザインなのだが、「FLARToolKit」(詳細は後述)に組み込むと、上の動画のようにハリボテになってしまう(苦笑)。
モデリングにあたり参考にしたのは、ググって見つけた下の写真。
また、PCのスペックが非常に悪く、画像処理に大きくもたつくためか、なるぞうくんが変な動きを見せたり点滅したりしてしまっている。また、映像のコマ落ちも激しい。お見苦しくてすみません。今後の課題とします。
募集!
私の3Dグラフィックス描画技術では、いつまでたってもまともななるぞうくんを作れないので、どなたか作っていただける方がいらっしゃいましたら大歓迎です。メタセコイア形式(mqo形式)であれば良いようです。詳しくは下記ツールの解説をご参照下さい。
ARはこんなにすごい
私のAR作品を見て、「ARは大したことない」と早合点してしまう方が現れないよう、秀逸な作品を2つ紹介しておく。はじめて見たら感動するのではないだろうか。
AR New Year Greeting Card from Saqoosha on Vimeo.
マーカー無しで3D空間を解析している2番目は驚異的。他にも、Youtubeやニコニコ動画で「Augumented Reality」や「ARToolkit」で検索すればいろいろな動画が楽しめる。興味ある方はご堪能あれ。
使用したツールや解説ページ
ツール
- Webカメラ:「ロジクール ウェブカメラ Qcam Pro 9000」・・・約5年前に購入したノートPCに接続しており、性能が不釣合いなこと甚だしい。
- ARツールキット:「saqoosha/FLARToolKit - Spark project」・・・映像内の特徴物(上の私の動画の場合、「3」のマーカー)の画像処理を行い、マーカーの変形具合から3D空間におけるカメラとマーカーの位置関係を求めてくれる。元々はC言語のライブラリ「ARToolkit」で、これをActionscript(Flashで用いられる言語)用のライブラリとしたのが「FLARToolkit」。フリーウェア。
- Webアプリケーション開発フレームワーク:「Adobe - Flex 3」・・・主要なブラウザ、デスクトップ、オペレーティングシステムに同一の体験を提供し、表現力豊かなWebアプリケーションを構築および管理できる、高い生産性を誇る無償のオープンソースフレームワーク(左記サイトより引用)。
- Flash開発環境:「FlashDevelop.org - Index page」・・・オープンソースなFlash開発環境。フリーウェア。
- 3Dエンジン:「Papervision3D」・・・Flashで動作する3Dエンジン。フリーウェア。
- 3Dポリゴンモデラー:「metaseq.net - Metasequoia」・・・ポリゴン単位で立体のオブジェクトを生成・編集することができる。フリーウェア版とシェアウェア版がある。
これらだけで始められるので、興味ある方はどうぞ。
解説ページ
- 「Saqoosha.net :: FLARToolKit スタートガイド」
- 「タロタローグ ブログ | 電脳コイルももう間近!FlashDevelopとFLARToolKitで始める、お手軽簡単Flash拡張現実の世界(1)」
- 「メタセコイア初心者講座 - KT爺メタセコイア指南書」
他にも、ツール名称でWeb検索をかければ有益な解説サイトはいくらでも出てくる。すばらしい。
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