オセロの最善手

将棋以外の有名なボードゲームとして、「オセロ」が挙げられる(図参照)。オセロのルールは単純明快だが、その最善手はどう定義されるべきか。私が考えるには、
「現着手以降、両者最善を尽くしあって終局したときに、自分の石が最も多くできるような、現局面における一手」
ということになる。これは不利な局面にも当てはまる。ただしオセロは、両者手がなくなったときはそこでゲーム終了となる。これを考慮に含めれば、例えば有利な局面では
「現着手以降両者最善を尽くしたとき、自分が相手より石が多く、かつ最短手数で終局できるような、現局面における一手」
となる。
オセロはまさに、終局まで考えて指さねば最善手がわからないゲームである。弱いコンピュータオセロを作りたかったら、着手直後の最多石数を最優先するプログラムを作ればよい。オセロをそれなりにやったことのある方ならわかると思うが、目先の利益を追うとあまり幸せになれない。特に序盤から中盤にかけては、あまり相手の石を取らないほうがよいとされる。これは、両者の着手可能数や壁石(空きに接した石)数と関係がある。また一般に、角を取るとよい、などと言われる。これらの詳しい理論については、オセロの定石書などを参考されたし。
だが、これらはあくまで、序中盤の漠然とした局面で何が最善手か見切れない、人間のための道標でしかない。オセロの最大着手数はたかだか60手(8×8−4)しかない。60手先までしらみつぶしにコンピュータが読むことができれば、不確実な理論に頼る必要もなく、すべての局面における最善手がわかる。現に盤の小さい6×6盤オセロでは、「両者最善を尽くしたとき先手●16対後手○20で後手の4目勝ち」という結論が出ている(リンク参照→「オセロ必勝手順(6×6盤)」)。

この記事を気に入ったらシェアしよう
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」作者、兼二児のパパ。将棋クエスト四段。
「三間飛車の普及活動を通して将棋ファンの拡大に貢献する」をモットーに、奇をてらわない文章とデザインで記事を書き続けています。

コメント

コメントする

目次
閉じる